結局「アジソン病」ってどんな病気?
今回は
「アジソン病」って結構国試とかでも出てくるんだけど、結局どんな病気なの?調べてもよくわかんないだよね。
という疑問に答えます!
- そもそも「アジソン病」とは何なのか
- どんな症状が出るのか
アジソン病をざっくり説明すると、症状が1つではなく全身に症状がでる病気です。症状は
- 色素沈着
- 吐き気
- 嘔吐
- 下痢
- 倦怠感
- 低血糖による意識消失
- 筋力低下
- 毛が抜ける
などがあります。
そもそも「アジソン病」って何?
副腎皮質ホルモン(アルドステロン・コルチゾール・アンドロゲン)が不足することで、全身に様々な症状が出る病気です。
「副腎」は、腎臓の上にくっついている臓器で、皮質と髄質の2層構造になっています。その皮質から出るのが副腎皮質ホルモンです。
副腎皮質ホルモンは、脳にある下垂体という部分の前葉から出る副腎皮質刺激ホルモンが調節しています。
副腎皮質ホルモンが出過ぎると刺激ホルモンは減り、副腎皮質ホルモンが足りないと刺激ホルモンは増える・・・というネガティブフィードバックによって調節しています。
アジソン病は「副腎皮質ホルモンが減る病気」なので、副腎皮質刺激ホルモンが増加します。そのため副腎皮質刺激ホルモンが増加することによる症状も出てきます。
アジソン病ではどんな症状が出るの?
ホルモンによる症状を確認する前に、副腎皮質ホルモンがどういう働きをするのか確認しておきましょう。
ホルモン | はたらき |
---|---|
アルドステロン(鉱質コルチコイド) | ・Na+とOH‐の再吸収 ・K+とH+の排泄 |
コルチゾール(糖質コルチコイド) | ・肝臓で糖をつくる(糖新生) ・筋肉でのたんぱく質代謝 ・脂肪の分解 |
アンドロゲン(性ホルモン) | 体毛の増加 |
副腎皮質刺激ホルモン増加によるもの
副腎皮質刺激ホルモンが増えることで色素沈着(舌・口腔・歯茎の色素斑など)が起こります。
なんで副腎皮質刺激ホルモンが増えると色素沈着が起こるの?
副腎皮質刺激ホルモンは、皮膚のメラニン細胞を刺激する働きがあるんだよ。だから、副腎皮質刺激ホルモンが増えたら色素沈着が起こるんだ。
アルドステロン減少によるもの(Na+の再吸収が減る・H+が排泄されなくなる)
- 低血圧
- 吐き気
- 嘔吐
- 下痢
Na+は血漿浸透圧(血管内の水分を保つ力)を調節しているので、Na+が減ると血漿浸透圧も減り、血液量も減るので低血圧となります。
コルチゾール減少によるもの(糖が作られない)
- 倦怠感
- 低血糖による意識消失
- 筋力低下
アンドロゲン減少によるもの
アンドロゲンとは、女性に備わっている男性ホルモンのことです。アンドロゲンという男性ホルモンがあるから、女性でも毛が生えるのです。
なのでアンドロゲンがなくなると、体毛が抜け落ちたりします。
アジソン病のとき体の中で何が起こってる?
- 血中Na増加
- 代謝性アシドーシス
- 血中K増加
アジソン病 まとめ
アジソン病は副腎皮質ホルモンの減少・副腎皮質刺激ホルモンの増加による病気です。症状は様々で、
- 色素沈着
- 吐き気
- 嘔吐
- 下痢
- 倦怠感
- 低血糖による意識消失
- 筋力低下
- 毛が抜ける
などです。