【CEを目指す高校生・大学生必見】物理はどこから・どうやって勉強する?
先日、Twitterを見ていたら、高校物理を履修せずに臨床工学技士養成校に入学した学生が、「どうやって物理を勉強したらいいのか分からない!」というツイートをしていました。
確かに、臨床工学技士養成校では、一応物理の基礎からはやってくれるものの、高校のように丁寧には教えてくれません。ましてや2年生から急に内容が難しくなるので、物理ならまだしも物理基礎を取っていない人にとってはかなり苦しいと思います。
物理と言っても範囲が広すぎてどこから手を付けていいのか分からないですよね。
ということで、今回は
- どこから勉強したらいいのか
- オススメの物理参考書
- 特に勉強するべき・学生が苦手とする分野
をお教えします。
この記事は
- 高校物理を履修しないまま臨床工学技士養成校に入学した大学生
- 臨床工学技士を目指してるけど、物理を選択しなかった高校生
向けです。
ちなみに、物理は高校で取っていなくても、臨床工学技士養成校に入りたい人はせめて物理基礎の知識はつけておいた方がいいです。
1.物理基礎から地道にやっていこう!
ここでは、高校物理を習っていれば解ける国家試験問題・第2種ME試験問題をいくつか紹介します。
「第2種ME試験」というのは、臨床工学技士を目指すほぼす全ての学生が取得する民間資格で、国家試験の力試しのような試験です。2、3年生で受ける人が多いですね。たまに1年生で取っている強者もいますが・・・。
就職試験の結果に大きく関わってくる大事な試験です!
〇国家試験
<電磁気学>
図は、真空中に正電荷で帯電した半径rの導体球の断面である。図中の各点(*)において電界強度が最も大きい点はどれか。(第32回 午後45)
- A
- B
- C
- D
- E
<直流回路>
図の回路で2Ωの抵抗の消費電力が2Wである。電源電圧E[V]はどれか。(第29回 午後46)
- 2
- 3
- 4
- 5
- 6
〇第2種ME試験
<熱力学>
容器に100g、0℃の氷を入れ、400g、90℃のお湯をかけて氷を溶かし、よく混ぜた。容器内の水温は何℃になるか。ただし、水の比熱を1cal/(g・℃)、氷の誘拐熱を80cal/gとし、容器や大気の熱交換はないものとする。
- 46
- 56
- 66
- 76
- 86
<波>
静止している観測者に向かって音源が音速の1/10の速さで近づくとき、観測者が聞く音の振動数は音源が出す振動数の何倍か。(第33回 午前22)
- 9/10
- 10/11
- 11/10
- 10/9
- 11/9
これ全部、高校物理を勉強していたら解ける問題です。
高校物理問題は、国家試験では毎年10問くらい、第2種ME試験では毎年8問くらい出題されています。高校物理問題を落としてしまうのはかなりもったいない!!
あと、意外なところで物理は役に立ちます。
手術をするとき、出血を伴わずに組織を切れる「電気メス」。
電気メスは高周波電流を使っているので「電気学」が役立ちます。
さらに、臨床工学技士の試験には放射線のことも問われます。そんなときに役立つのは「電磁波」です。
物理の知識があれば、医療機器の動作原理を簡単に理解できるようになります。
2.オススメ参考書
〇物理を全くやってことがない人向け
・「宇宙一わかりやすい」シリーズ
物理なんてちんぷんかんぷんという人は「宇宙一わかりやすいシリーズ」がオススメです。
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宇宙一わかりやすい高校物理(電磁気・熱・原子) [ 鯉沼拓 ]
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私も高校時代、波分野の「ドップラー効果」というのがどうしても分からなくて、どの参考書を見ても分からなかったんですが、宇宙一わかりやすいシリーズを見てようやく理解できました。
言葉も難しくないですし、イラストが多いので分かりやすいです。
これ、オススメ。
ただ、もんのすごい分厚いのでご注意ください(笑)
・漆原晃先生の「面白いほどわかる」シリーズ
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漆原先生シリーズも、宇宙一シリーズ同様イラストが多いです。私は特に「熱力学シリーズ」に助けられましたm(__)m
2シリーズとも本当に分かりやすいのですが、分かりやすいと感じるかどうかは個人差があると思うので、本屋さんで読んで確認してみるのもいいですね。
問題を解くときは、大学入試向けの難易度の高いものを解くのは効率が悪いので、国家試験・第2種ME試験の過去問の、物理分野の問題を何度も解いてみましょう。
臨床工学技士国家試験 分野別問題(物理分野は「医用電気電子工学」と「医用機械工学」にあります)>>>過去問一覧 -臨床工学技士国家試験対策サイト
第2種ME試験 過去問(午前:20~30あたりが該当します)>>>出版物一覧|出版物|公益社団法人日本生体医工学会 ME技術教育委員会
問題を解けば解くほど力もついてきます!
〇物理基礎はやったけど物理はやってない人向け
これは、私が高校時代に使っていた 高校物理用の教科書の改訂版です。
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ぶっちゃけ、物理基礎がしっかり身についている人は、物理に死ぬ気にならなくてもいいんじゃないかなと思います。
ただ、全く勉強しないのはマズいので、教科書をしっかり読み込んで頭に入れる程度で良いです。
大学入試の過去問が載っているような問題集を買う必要はありません。
大学入試の二次試験のように記述式で激ムズ問題を解くわけではないので・・・。
物理基礎が身についている人も、問題を解くときは、国家試験・第2種ME試験の過去問の、物理分野の問題を何度も解いてみましょう。
臨床工学技士国家試験 分野別問題(物理分野は「医用電気電子工学」と「医用機械工学」にあります)>>>過去問一覧 -臨床工学技士国家試験対策サイト
第2種ME試験 過去問(午前:20~30あたりが該当します)>>>出版物一覧|出版物|公益社団法人日本生体医工学会 ME技術教育委員会
3.特に重要・学生が苦手としている分野
ホントは全部大事なんです!
力学・熱・波・電気・磁気を広く浅く勉強する事も大事です。
ですが、ここでは特に多くの学生が苦手としている分野・ここはやっておけという分野を紹介します。
〇磁気学
磁気学は本当に苦手としている人が多いです。
「磁束」「磁束密度」「インダクタンス」のようなワードが出てくる分野です。
磁気は目に見えない世界ですし、身の回りの現象となかなか結び付かないところが原因だと思います。
臨床工学技士を目指すなら、
- 単位(WbやTなど)
- 右ねじの法則
- 磁界の強さを求める式(H=I/2πr、H=I/2r、H=nI)
- 電磁誘導とは何か
- 自己誘導
- コイルに蓄えられるエネルギー式(W=1/2×LI^2)
は押さえておきましょう。
〇過渡現象
過渡現象も苦手としている人が多いです。しかも、恐ろしいことに過渡現象は国家試験に出てきます。
一応、暗記する式はあるのですが、式だけ覚えていても意味がないので、きちんと理屈を抑えることをオススメします。
「時間が経つごとに、電流と電圧はどう変化するのか。」
それさえ分かれば大丈夫です。
4.まとめ
- 物理をやったことがない人はまず物理基礎から!
- 物理基礎は大丈夫!という人は高校生用物理教科書を読み込む
- 問題を解くときは過去問を解いてみよう!
- 物理は大学受験並みに勉強する必要はない。広く浅くでOK
- 電磁気学と過渡現象は苦手な学生が多いので、特によく勉強しよう!
一緒に頑張りましょう!