あおいのMEちゃんねる

臨床工学技士を目指す大学3年生(20)です。

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【国試や定期テスト対策】10分で分かるクリッパ回路の原理

今回は

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ほのか

クリッパ回路って、どういう原理なのかよく分からない・・・。なんであんな出力波形になるの?

という質問に答えます!

 

この記事で分かること↓

 

クリッパ回路というのは、ダイオードやバイアス電圧の向きによっても出力波形は変わりますが、こんな波形になります。

上のような波形になる根拠は何なのでしょうか。一見難しそうに思えますが、ダイオードの仕組みさえ理解していれば簡単に分かります。また、クリッパ回路を解くときは入力電圧ごとに場合分けして出力波形を考えます。少しずつ解説していくので一緒に見ていきましょう。

1.ダイオードの基礎

まずはダイオードの基本をおさらいしましょう。

〇順方向電圧

順方向電圧をかけるときはアノードの電位がカソードの電位より大きいときです。このとき抵抗は0[Ω]になりますから、1本の導線と同じような状態になります。

〇逆方向電圧

一方、逆方向電圧をかけるときは、カソードの電位がアノードの電位より大きいときです。このとき抵抗は無限大になりますから、導線が切れたのと同じ状態になります。つまり電流は流れません。

2.クリッパ回路の動作原理

〇パターン1

まずは下の回路パターンを見ていきます。

左の回路にVi=Vmsinωt[V]を入力したときの出力波形を考えてみましょう。入力電圧は右のようなVmが最大値の正弦波です。

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0<Vi<Eのとき

ViはEより電位が小さいので、電流はこの向きに流れます。

ダイオードには順方向電圧がかかるので、ただの導線と化します。

b点を0[v]とし、基準点として考えると、a点はE[V]になりますね。

出力波形は下の赤の線のようになります。

E<Vi<Vmのとき

EよりViの方が電位が大きいので、仮に電流が流れるとしたらこの向きに流れます。

ダイオードには逆方向電圧がかかるので、断線と同じ状態になります。するとこの回路には電流は流れないということになりますね。

つまりI=0[A]。するとRの電圧降下もV=I×Rより0[V]になるので、抵抗部分もただの導線と化してしまいます。

b点を0[v]とし、基準点として考えると、a点はVi[V]になりますね。

出力波形は、0<Vi<Eの波形と合わせるとこんな感じ。

-Vm<Vi<0のとき

Viがマイナスのときですね。この時はViの絶対値がEより大きかろうと小さかろうと電流は反時計回りに流れます。

ダイオードには順方向電圧がかかるので、b点を0[v]とし、基準点として考えると、a点はE[V]になりますね。

-Vm<Vi<0のときの出力はE[V]なので出力波形は下のようになります。

結果、パターン1のグラフはこんな感じです。

〇パターン2(ダイオードとバイアス電圧の向きを反転)

パターン1のダイオードと電池の向きが逆になったパターンを考えてみます。パターン2の入力電圧も、パターン1と同じです。

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-Vi>-Eのとき

-Eのほうが-Viより電位が小さいので、仮に電流が流れるとしたら時計回りです。

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ほのか

あれ?ちょっと待ってください。-Viの方が大きいなら、反時計回りに流れることになりませんか?

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あおい

ううん、時計回りだよ。



この回路を横から見たらこんな感じ。
-Vi[V]の方が落差が大きいから時計回りに流れるのが分かる?



ダイオードに順方向電圧がかかるので導線と同じ状態になります。

b点を0[v]とし、基準点として考えると、a点は-E[V]になりますね。

出力波形はこんな感じ。

-Vi<-Eのとき

ViがEより電位が小さいので、電流は時計回りに流れます。

ダイオードには逆方向電圧がかかるので、断線と同じ状態になります。するとこの回路には電流は流れないということになりますね。

つまりI=0[A]。するとRの電圧降下もV=I×Rより0[V]になるので、抵抗部分もただの導線と化してしまいます。

出力波形は、-Vi>-Eの波形と合わせるとこんな感じ。

Vi>0のとき

Viが正のときは、Viの絶対値がEより大きかろうと小さかろうと電流は時計回りに流れます。

ダイオードには順方向電圧がかかるので、a点は-E[V]、b点は0[V]となりますね。

Vi>0のときの出力波形は下のようになります。

パターン1の出力波形を示すと下の波形のようになります。

〇ピーククリッパとべースクリッパ

パターン1と2の他に、あと2通りダイオードと電池の配置の仕方があります。

まずはこれ。

これも、パターン1や2と同じように考えると出力波形はこうなります。

波形のトップの部分だけカットされていますね。この波形になる回路をピーククリッパといいます。

一方、こちらの回路。

出力波形はこんな感じ。

波形の底の部分だけカットされています。このような波形になる回路をべースクリッパといいます。

3.クリッパ回路の原理 練習問題

実際に資格試験に出された問題に答えてみましょう!今回は「電験三種」の理論分野からの出題です。

〇練習問題①

抵抗R、ダイオードD及び電池Eを図のような回路において、入力端子a、b間に正弦波電圧Vi=Vmsinωt[V]を加えたとき、出力端子c、d間に生じる電圧Vo [V]の波形として、正しいのは次のうちどれか。

ただし、Vm[V]>E[V]とする。(電験三種 1999年(平成11年)問8より抜粋)

〇練習問題②

図1は,ダイオード,抵抗値R[Ω]の抵抗器,及び電圧E[V]の直流電源からなるクリッパ回路に,正弦波電圧Vi=Vmsinωt[V](ただし,Vm>E>0)を入力したときの出力電圧Vo[V]の波形である。図2(a)~(e)のうち図1の出力波形が得られる回路として,正しいものの組合せを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

ただし,ω [rad/s]は角周波数,t[s]は時間を表す。また,順電流が流れているときのダイオードの端子間電圧は0[V]とし,逆電圧が与えられているときのダイオードに流れる電流は0[A]とする。(電験三種 2018年(平成30年)問13より抜粋)

  1. (a),(e)
  2. (b),(d)
  3. (a),(d)
  4. (b),(c)
  5. (c),(e)
画像引用元:https://www.shiken.or.jp/answer/pdf/313/file_nm01/T1-R.PDF

4.クリッパ回路の原理 解答と解説

〇練習問題①

解答

2

解説

まず、ViがEより小さい場合を見てみます。

ViはEより電位が低いので電流は反時計回りに流れます。ダイオードには順方向電圧がかかるのでただの導線と化しますね。するとc点がE[V]、d点が0[V]なので、出力はEで一定です。

〇練習問題②

解答

3

解説

問題の出力波形はパターン1と同じであることが分かりますか?よって、(d)がまず1つ目の答え。

次に絞られるのは(a)(b)の2つです。2つとも見ていきましょう。

Vi<Eのとき・・・

  • (a)・・・ViはEより電位が小さいので、仮に電流が流れるとしたら反時計回りに流れます。しかしダイオードに逆方向電圧がかかるので断線と化し、回路に電流は流れないのでRの電圧降下も0[V]。出力はE[V]になります。
  • (b)・・・Viの絶対値がEより大きかろうと小さかろうと電流は時計回りに流れようとして、ダイオードに逆方向電圧がかかるのでこの回路に電流は流れません。よってRの電圧降下も起きず、出力は-E[V]になります。

5.ダイオード入りクリッパ回路のまとめ

今回紹介した4つの回路と、その出力波形のまとめです。

クリッパ回路は、ダイオードの特性をしっかり理解していれば解ける問題です。慣れないうちは、入力電圧ごとに場合分けして出力波形を考えてみましょう。

何回も練習してヒントを見ずに解けるようにしましょう。