クリッパ回路の練習問題を解いてみよう!
この記事は「ただただクリッパ回路の問題を解きたい!」という方向けの記事なので、問題と解説のみ載せています。
クリッパ回路の解き方は「【国試や定期テスト対策】10分で分かるクリッパ回路の原理」で詳しく説明しています
3.クリッパ回路 練習問題
〇練習問題①
抵抗R、ダイオードD及び電池Eを図のような回路において、入力端子a、b間に正弦波電圧Vi=Vmsinωt[V]を加えたとき、出力端子c、d間に生じる電圧Vo [V]の波形として、正しいのは次のうちどれか。
ただし、Vm[V]>E[V]とする。(電験三種 1999年(平成11年)問8より抜粋)
〇練習問題②
図1は,ダイオード,抵抗値R[Ω]の抵抗器,及び電圧E[V]の直流電源からなるクリッパ回路に,正弦波電圧Vi=Vmsinωt[V](ただし,Vm>E>0)を入力したときの出力電圧Vo[V]の波形である。図2(a)~(e)のうち図1の出力波形が得られる回路として,正しいものの組合せを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
ただし,ω [rad/s]は角周波数,t[s]は時間を表す。また,順電流が流れているときのダイオードの端子間電圧は0[V]とし,逆電圧が与えられているときのダイオードに流れる電流は0[A]とする。(電験三種 2018年(平成30年)問13より抜粋)
- (a),(e)
- (b),(d)
- (a),(d)
- (b),(c)
- (c),(e)
画像引用元:https://www.shiken.or.jp/answer/pdf/313/file_nm01/T1-R.PDF
〇練習問題③
図の開路に1kHz,10Vppの正弦波Viを入力した。出力波形Voを描け。ただし、ダイオードDは理想的なものとし、バイアス電源Eの内部抵抗は無視するものとする。
4.クリッパ回路の原理 解答と解説
〇練習問題①
解答
2
解説
「【国試や定期テスト対策】10分で分かるクリッパ回路の原理」にあるパターン1と同じ回路です。
Vi<Eの場合、ViはEより電位が低いので電流は反時計回りに流れます。ダイオードには順方向電圧がかかるのでただの導線と化しますね。するとc点がE[V]、d点が0[V]なので、出力はEで一定です。
〇練習問題②
解答
3
解説
問題の出力波形は「【国試や定期テスト対策】10分で分かるクリッパ回路の原理」にあるパターン1と同じであることが分かりますか?よって、(d)がまず1つ目の答え。
次に絞られるのは(a)(b)の2つです。2つとも見ていきましょう。
Vi<Eのとき・・・
- (a)・・・ViはEより電位が小さいので、仮に電流が流れるとしたら反時計回りに流れます。しかしダイオードに逆方向電圧がかかるので断線と化し、回路に電流は流れないのでRの電圧降下も0[V]。出力はE[V]になります。
- (b)・・・Viの絶対値がEより大きかろうと小さかろうと電流は時計回りに流れようとして、ダイオードに逆方向電圧がかかるのでこの回路に電流は流れません。よってRの電圧降下も起きず、出力は-E[V]になります。
〇練習問題③
解答
解説
0<Vi<3のとき
バイアス電圧より電源電圧の方が電位が大きいので、電流が流れるとしたら反時計回りに流れます。
するとダイオードには逆方向電圧がかかるので、ダイオード部分は断線と同じように表せます。よって、この回路に電流は流れません。
抵抗の電圧はV=I×Rと表せますが、I=0なので、抵抗の両端にかかる電圧0[V]です。よって、ただの導線と化します。
回路の下部分を0[V]として基準にすると、出力は3Vになります。
よって、0<Vi<3のときは波形は下のようになります。
3<Vi<5のとき
バイアス電圧より電源電圧の方が大きいので、電流は時計回りに流れます。
ダイオードには順方向電圧がかかるので、ダイオード部分はただの導線と化します。
回路の下部分を0[V]として基準にすると、出力はVi[V]になります。
よって、3<Vi<5のときの波形は、0<Vi<3のときと合わせると下のようになります。
-5<Vi<0のとき
入力電圧が負のときは、電流が流れるとしたら反時計回りに流れます。
するとダイオードには逆方向電圧がかかるので、ダイオード部分は断線と同じように表せます。よって、この回路に電流は流れません。
抵抗の電圧はV=I×Rと表せますが、I=0なので、抵抗の両端にかかる電圧0[V]です。よって、ただの導線と化します。
回路の下部分を0[V]として基準にすると、出力は3Vになります。
よって、-5<Vi<0のときの波形は3<Vi<5、0<Vi<3のときと合わせると下のようになります。