肝硬変で起こる症状Q&A
1.何で肝硬変で腹水ができるの?
肝臓でアルブミンを作れなくなり、膠質浸透圧が下がるからです。
膠質浸透圧を保つアルブミンは肝臓で作られますが、肝硬変になると肝臓でアルブミンを作る能力が低下するため、膠質浸透圧が下がります。
その結果、血管から周辺の組織へ水分が逃げていき、腹水ができます。
2.何で肝硬変で黄疸ができるの?
肝臓でビリルビンの処理ができなくなり、血中ビリルビン濃度が上がるからです。
普通、寿命で死んだ赤血球は鉄分を失って間接ビリルビンという物質に変わります。間接ビリルビンは肝臓で解毒されて直接ビリルビンに変わり胆汁に混じって体の外に出ます。
しかし、肝硬変になると間接ビリルビンを解毒して直接ビリルビンにすることができません。
結局、直接ビリルビンになれなかった間接ビリルビンは血液へ戻ってしまうのです。
3.何で肝硬変になると女性化乳房になるの?
肝臓で女性ホルモンを分解できないからです。
実は男性にも女性ホルモンは存在します。それでも男性が女性のような体つきにならないのは、肝臓で女性ホルモンを分解しているからです。肝硬変になると、本来分解できていた女性ホルモンが分解できなくなります。
4.何で肝硬変で手掌紅斑やくも状血管腫が起こるの?
エストロゲンというホルモンが分解されなくなり、血中エストロゲンが上昇するからです。
エストロゲン(女性ホルモン)には血管拡張作用があります。
エストロゲンは本来肝臓で分解されますが、肝硬変になるとエストロゲンが分解されなくなります。
これにより血管が拡張して血液がより流れるようになり、手のひらに赤いぶつぶつができたり(手掌紅斑)、末梢の血管が拡張したり(くも状血管腫)します。