あおいのMEちゃんねる

臨床工学技士1年目です。オペ室勤務

心電図波形・Q波のトリビア~異常Q波~

今回は、心電図波形のうちQ波を細かく見てみます。

  • 正常なQ波の条件
  • 異常なQ波の原理

について解説します。

1.正常なQ波

  • 深さ・・・R波の高さの1/4未満の高さ
  • 幅・・・・0.04秒未満(1マス分)

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2.異常なQ波

Q波は、左脚から右脚に向かう電気信号を反映しています。

心電図電極が見ている方向から遠ざかるように電流が流れるので、本来Q波はちょっと下向きになっています。

 

しかし、心電図でR波として表される部分が壊死してしまうと、電極は壊死した部分を反映しなくなり、壊死部分の向こう側である左脚→右脚の電流(Q波)を捉えるようになります。

よって、正常なQ波が記録された後、本来R波が記録される部分にもQ波が反映されます。その結果、Q波が2つ重なりQ波が大きくなったように見えるのです。

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ちなみに、この心内膜から心外膜の全層に広がっている心筋梗塞「貫壁性心筋梗塞といいます。

 

そして、心筋は再生することがないので、一度異常Q波が出ると一生残ってしまいます。

そのため、異常Q波が残っていると「昔、この患者さんは心筋梗塞があった」という目印になるのです。