「酸素解離曲線」について学ぼう!
本題の前に!基礎知識をおさらい
〇酸素飽和度って何?
血中ヘモグロビンのうち、何%のヘモグロビンが酸素とくっついているかを表す数値です。
酸素飽和度が高い=酸素とくっついているヘモグロビン量が多い
酸素飽和度が低い=酸素とくっついているヘモグロビン量が少ない
ということになります。
〇2,3-DPGって何?
2,3-DPGとは、酸素ヘモグロビンに結合して、酸素ヘモグロビンから酸素を放出するはたらきをする物質のことです。
動脈血中の2,3-DPGが高濃度であるほど、酸素を組織により多く供給することができます。逆に少ないと酸素供給に支障をきたします。
運動直後など、体が酸素を欲するときに2,3-DPGは増加します。
2.酸素解離曲線が左に移動するとき
酸素解離曲線が左に移動する
↓
同じ酸素分圧でも酸素飽和度が高くなる
↓
ヘモグロビンが持っている酸素の量が増える
↓
組織に酸素を放出する量が減る
ということになります。
上のようなことが起こると、体は酸素を必要としなくなるため、ヘモグロビンは酸素を組織に放しづらくなります。その結果、酸素飽和度が高くなり、曲線は左に移動します。
3.酸素解離曲線が右に移動するとき
- pHが酸性に傾く(小さくなる)
- PCO2が増加
- 血液温度の上昇
- 2,3-DPGが増加
酸素解離曲線が右に移動する
↓
同じ酸素分圧で酸素飽和度が低くなる
↓
ヘモグロビンが持っている酸素の量が減る
↓
組織に酸素を放出する量が増える
ということになります。
上のようなことが起こると、体は酸素を必要とするためヘモグロビンは酸素を組織に放しやすくなります。その結果、酸素飽和度が低くなり、曲線は右に移動します。
ちなみに、PCO2の増加やpHの減少でヘモグロビンが酸素を放しやすくなり、組織酸素供給が増加する効果を「ボーア効果」と言います。