「浸透圧」って何?
勉強していると「膠質浸透圧」とか「血漿浸透圧」とか、やたらと「浸透圧」という言葉を見聞きしますが、しっかり理解していますか?
1.「浸透圧」って?
浸透圧は、簡単に言うと「水分を保っておく力」です。
血管内の浸透圧が高いということは、それだけ血管が水分を保っておく力が強いということです。浸透圧が高いと血管に流れる水分の量も多くなりますから、血圧も高くなります。
浸透圧が低くなると、血管の水分を保っておく力は弱くなります。そのため、周りの組織に水分が流れ出てしまい、結果として血圧は低くなります。その分組織に水分が多く含まれるので、血管内の浸透圧が低いということは浮腫の原因になります。
2.「血漿浸透圧」と「膠質浸透圧」の違い
浸透圧を担っているのが「電解質」なのか「タンパク質(アルブミン)」なのかの違いです。
○血漿浸透圧
浸透圧を変化させる電解質にNa(ナトリウム)があります。ナトリウムは体液浸透圧の調節をします。
血中にNaがたくさんあると、その分血液が水分を保とうとする力(血漿浸透圧)が強くなり、周りの組織から水分を引き込みます。そうすることで循環血液量が増えて血圧が上がるのです。
血中Na濃度が低いと、その分血漿浸透圧が小さくなるため、周りの組織に水分が逃げていき血圧が下がります。
よく、ナメクジに塩をかけると溶けると言いますよね。あれは、塩(NaCl)が水分を引き込もうとするため、ナメクジの水分を奪い取ってしまうからです。これと同じ原理です。
〇膠質浸透圧
一方、血漿に溶けているタンパク質、アルブミンも浸透圧を担っています。
血中にアルブミンがたくさんあると、その分血液が水分を保とうとする力(膠質浸透圧)が強くなり、周りの組織から水分を引き込みます。そうすることで循環血液量が増えて血圧が上がるのです。
血中アルブミン濃度が低いと、その分膠質浸透圧が小さくなるため、周りの組織に水分が逃げていき血圧が下がります。