電子体温計はなんで管理医療機器なの?
一般医療機器、管理医療機器、高度管理医療機器の分類で迷ったことはありませんか?
国家試験でもよく問われる範囲です。
例えば・・・
一般医療機器(クラスI)に分類されるのはどれか。(第32回午前3)
1. 補聴器
2. ネブライザ
3. 人工呼吸器
4. 冠動脈ステント
5. 粒子線治療装置
医療機器の国際的なクラス分類でクラスⅣ(高度管理医療機器に相当)に分類されるのはどれか。(第31回午前3)
1. ペースメーカ
2. 電子体温計
3. 電子内視鏡
4. 汎用輸液ポンプ
5. 造影剤注入装置
今回は「なんでこの医療機器は一般医療機器に分類されるの?」というように、医療機器の分類の根拠をご紹介します。これで少し問題が解きやすくなるはず。
※医療機器の分類の根拠は100%はっきりとしておらず、ここで紹介するのは必ずしも正解とは限りません。あくまでも問題を解きやすくするための考えです。
一般医療機器(クラスⅠ):不具合が生じた場合でも、人体へのリスクが極めて低い
管理医療機器(クラスⅡ):不具合が生じた場合でも、人体へのリスクが比較的低い
高度管理医療機器(クラスⅢ):不具合が生じた場合、人体へのリスクが比較的高い
高度管理医療機器(クラスIV):患者への侵襲性が高く、不具合が生じた場合、生命の危険に直結する
1.電子体温計
→管理医療機器(クラスⅡ)
電子体温計は精度の高い測定が行われない(実際よりも体温が低い、または体温が高い)場合、その患者に何らかの処置が行われる可能性があるから
2.ネブライザ
→一般医療機器(クラスⅠ)
ネブライザは高度な機器ととらえられておらず、単なる薬品の噴霧器(喘息の患者さんが吸入する、気管支拡張薬を噴霧するボトルと同等)ととらえられている。
つまりネブライザに不具合があっても、リスクが高い噴霧薬に不具合が無い限り、リスクは極めて低い。