リミッタ回路の練習問題を解いてみよう!
別の記事で、リミッタ回路の解き方を説明しました。
今回は、その解き方を活用して実際に国家試験に出された問題を解いてみましょう。
1..リミッタ回路 練習問題
基本的なダイオードの原理が理解できれば問題は解けます!まずは自力で解いてみましょう。
〇練習問題①
図1の電圧Viを入力したとき、図2の電圧Voを出力する回路はどれか。ただし、ダイオードは理想ダイオードとする。(臨床工学技士 国家試験 第32回 午前53)
〇練習問題②
下図の回路に1kHz,10Vp-pの正弦波Viを入力した。出力波形を描け。ただし、ダイオードD1,D2は理想的なものとし、バイアス電源E1,E2の内部抵抗は無視するものとする。(臨床工学講座 医用電子工学 第2版 p38 問題6)
2.リミッタ回路 解答と解説
〇練習問題①
解答
2
解説
今度は並列回路ですね。少し難しそうですが2の回路はパターン1とパターン2の回路を組み合わせたような回路になっているんです。
問題で与えられている入力波形と出力波形で異なっているのは
- Vi>2[V]
- Vi<-1[V]
のときです。Vi>2[V]のときから見ていきましょう。
Vi>2[V]のときに出力Vo=2[V]になる回路を探します。4,5は、仮にダイオードが導線状態になってもVo=-2[V]になってしまうので選択肢から消えます。
1,2,3の中から、Vi>2[V]のときに2Vバイアス電源の上にあるダイオードに順方向電圧がかかるものを探します。
2だけになるので、答えは2です。
〇練習問題②
解答
解説
入力波形はこんな感じ。
出力波形を考えるときは、バイアス電圧を基準にして考えます。この場合、
- 5[V]>Vi>2[V]
- 2[V]>Vi>-4[V]
- -4[V]>Vi>-5[V]
の3通りを考えます。
5[V]>Vi>2[V]
このとき、D1には順方向電圧がかかりますが、D2には逆方向電圧がかかります。よって出力Vo=2[V]
2[V]>Vi>-4[V]
ここは入力が正になったり負になったりしてややこしいので、Vi=1[V]として考えます。すると、2つのダイオードに逆方向電圧がかかってしまうので、回路に電流は流れません。よって出力Vo=Vi[V]
-4[V]>Vi>-5[V]
このときD1には逆方向電圧がかかりますが、D2には順方向電圧がかかります。よって出力Vo=-4[V]
まとめると、出力波形はこうなります。
〇練習問題③
解答
3
解説
問題が意味しているのは、「電流D2には流れず、D1に流れるときの入力電圧は何か?」ということです。
電流がD2には流れず、D1に流れるときは、入力が「-3[V]以下のとき」というのは理解できるでしょうか?
上の図のように電流が流れるような入力電圧を見つけましょう。
まずはA~Eの範囲のそれぞれにおいて、任意の入力電圧を自分で決めて、図を描きながら解いてみましょう。例えば、Aの範囲を考えるときは5[V]を入力して、Bの範囲を考えるときは-1[V]を入力してみるなど。